大和但馬屋日記

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汚れたヒーロー

ニンテンドースイッチ用「アケアカNEOGEO ライディングヒーロー」。

見た目はネオジオ版「スーパーハングオン」といふ理解。そしてネオジオ初期タイトルとして、家庭用とアーケードのデータ連携を強く意識したタイトルだつたとも記憶してゐる。それはまあいいのだが、肝心のゲームの根本に問題がありすぎる。この手の疑似3Dレースゲームは、身も蓋もない言ひ方をすれば前方から迫る障碍物を避けるのがゲームの主軸である。この「ライディングヒーロー」もさうだ、と最初は思つた。そしたらこれはどうだ。

何位を走つてゐても、突然後ろから追拔いてゆくライバル。自分より後ろのライバルは一切目に見えないから、かなりの確率で理不盡な體當りをかましながら拔き去つていく。當てられたこちらは大幅な減速を食らふ。それをまた拔き返す。さういふゲーム。最後の周囘のゴール近くで體當りされたら拔き返すことはまづ不可能。囘避不能な體當りをされずに濟む樣に祈りながらゴールを目指すだけの運ゲ一。はつきり言はう、クソゲーだ。「スーパーハングオン」から四年も經つて、なんでこんなゲームで良しとしたのか。

レース部分としては、スピードに對するグリップ感の變化が希薄なため「コーナーを攻める」といふ感覺は皆無で、囘數制限のあるターボを吹かしてもコーナリングが難しくなる訣でもない。よつてライディングの爽快感は極めて乏しく、ただひたすらに突然後ろから當たるライバルにイライラさせられるだけ。

まあ、ネオジオのローンチ期に數合せとして定番ジャンルのゲームを用意した、といふ以上の意味はないのだらう。八百圓で買つた身とじてはかうしてクダを巻いてればいいが、當時何萬圓も出してカートリッジを買つてしまつた人はどう思つただらうか。