何となく雨模樣な雰圍氣の決勝、スタートから序盤は大きなアクシデントもなく淡々と進行してゐる。ハイパーソフトの壽命を少しでも延ばしつつ雨やセーフティカーを待つてタイヤ交換を減らしたいのか、あまりアグレッシブに攻めた感じではない。
十三周目にハミルトンがウルトラソフトに交換したのを皮切りに、タイヤ戰略はウルトラソフトとスーパーソフトに分れた。
レースがまだ半分にも達しないうちにリキアルドが「パワーを失つてゐる」と訴へる。スピードトラップの數字が一人だけをかしい。
川井氏の推測によるとリキアルドはERSのアシストを失つてただのV6ターボエンジンになつてゐるのだらう、とのこと。といふかレッドブル、毎戰どちらかが「パワーを失つた」と言つてるイメージだな。
リキアルド「何か出來ることない?」ベッテル「ダッシュボードの表示が一瞬消えたんだけど」ハミルトン「タイヤがもう終つてる」。上位三臺とも何かしら不調を訴へてゐる。
五十四周目にアロンソがストップするもセーフティカーにはならず。手負ひのリキアルドにとつてはどつちがいいのか判らない。
終盤、シケインでハートレイにルクレールが追突。地元レースのルクレールはお氣の毒。これでVSCが發動、リキアルドにとつては幸運か。セーフティカーと違つて車間はそんなに詰らないからね。
降つて湧いた不運にほんの少しの幸運が味方して、リキアルドがボールトゥウィンを決めた。モナコ初優勝である。一昨年に取損ねたものを取返した。そしてリキアルドといへばシューイ*1であるが、ここはモナコ、大公御前の表彰式。まさかね。
やりやがつた…一禮すればいいってもんぢやなからうに…
流石に大公御一家は巻込まないが、エイドリアン・ニューウィが巻添へを喰つた。シューイをやらされるニューウィ。どつとはらい。