大和但馬屋日記

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イベント上映だけだつた「機動警察パトレイバー REBOOT」がネットで公式配信されたので觀た。まあ、確かに見たかつた映像ではあるんだけど、「二十五年前に」見たかつたのはこれだつたんだな、といふ印象。

建てこんだ街中で家々に迷惑を掛けながら暴れるレイバーを取押へるといふ繪面の賞味期限が劇場版第一作の冒頭シーンで切れてしまつてゐて、今囘の新機軸となる鐵道を絡めたネタは既に「アクティヴレイド」が上を行く形でやつてゐる。眼福な映像を見てゐる筈なのに「いつまでこんなことやつてんだ」といふ歯痒さを感じてしまつたのはどういふ訣か。

理由の一つははつきりしてゐる。全高十メートル級のロボットを引起こさうとしたら電線に引掛つて満足に身動きも取れないなどといふネタを眞面目に描いてしまつたせゐで、その世界に警察用レイバーが配備・運用されてゐるといふ架空の事實を有り得ないこととしてしまつてゐる點が引掛るのだ。

初期OVAでも高架道路の高さが中途半端で上も越えられず下も潜れず反對側に行けないといふ都市部での運用に支障のあるシーンが描かれたが、今囘のこれはやりすぎである。頭がいい振りをして入れたネタならば、頭が惡いのだ。デジタル作畫技術の向上でリアリティのある繪が作り易くなつたならば、繪作りの嘘のつき方も相應にアップデートするのが筋といふものだ。

そんな訣で、これのシリーズ化に過剰な期侍をするよりは「アクティヴレイド」を見返した方が今のところは面白いと思つた。あれは「パトレイバー」の描かうとしたものの「次」を魅力的に描いてゐる。

櫻山桃子さんみたいな感じのレポーターの聲が林原さんだつたらいいな、と思つて確認したら本當に林原さんだつたのは嬉しい驚きだつた。といふか林原さんと山寺さんの二人で全登場人物を演じたのには笑つた。