大和但馬屋日記

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年末年始の回顧

青春18きっぷ

下りはいつもの東京発静岡行を利用。浜松で小休止をとるのを慣例としてゐるが、駅の改札で自分の周囲にも18きっぷ利用者が多いことに気付いた。普段は、車中はともかく改札などでは滅多に出喰はすものではない。カレンダーのタイミングもあるのだらうが、18きっぷ利用者が例年より多いのではないかとも思つた。
気の所為かもしれないが、利用歴に基くサンプリング精度はそれなりに高いといふ自負もそれなりにある。まあ、実態は分らないけれども。

石油の値段

普段自動車に乗らないから実感は薄かつたが、なるほど値下りしてゐる。まあ、上る前に戻つただけなのだらうが。
自動車のガソリンの値段はともかく、三洋汽船の運賃がえらいことになつてゐた。笠岡-真鍋島間が230円も値上りして990円。値上げの名目はもちろん燃料費の高騰によるもの。一度上つたものはさうさう下がりはしないだらうから、これは島民にとつては切実な問題だらう。人口も減る一方だから利用状況が改善するはずもなく、典型的な地方の赤字路線のスパイラルに入つてゐる。

テレビ事情

帰省した時くらゐしか地上波テレビを観ることもないが、帰省したら祖母の家では必ず紅白歌合戦が点いてゐるので、紅白は毎年必ず見てゐることになる。ワシの一年間のテレビの九割は紅白。今年の舞台は凄かつたな。ステージのバックが全面巨大なスクリーン。あれはLEDだらうか。映像主体の演出といふのも毎年では詰らないだらうが、今回はともかくインパクトがあつた。ただ、スクリーンの粒度がSDテレビではモアレになつてゐないかと心配になつた。
かくいふ祖母の家は37インチのAQUOSになつてゐた。目も耳も弱つてきた年寄りばかりの家で、画面が大きく鮮明になつたのはそれだけでメリットだつたやうだ。ただし、人の声が聞き取り辛くなつたといふ。たぶん、サラウンド効果が悪さをしてゐるのだらう。音場が豪華になることで、人の声が音楽や環境音に埋れてしまふのだ。
設定画面を出してモノラル音声にできないか探してみたが、サラウンドのオン/オフしか選べなかつた。音響効果は高ければ良いといふものではないと気付かされた。

犬騒動

従姉の家がトイプードルを飼ひ始めた。まだ仔犬で可愛らしいが、初めての旅先で見慣れぬ顔に囲まれて、明らかに怯へながら昂奮してゐた。最後には捨身で愛想を振り撒く様になり、誰彼構はず尻尾を振つて顔を舐められた。犬のかういふ習性を見ると、可哀相に思へてならなくて困る。どうみても恐怖心の裏返しの行動だもの。
後で聞いたら案の定、疲れきつてしまつてその後二日ほどぐつたりしてゐたさうだ。

猫騒動

犬猫には愛情を注ぐのが当然と考へる人は、以下を読まないこと。
父方の実家と母方の実家は数百メートルしか離れてゐないので頻繁に行来をする。母と夜道を歩いてゐると猫が一匹ついてきた。島は野良猫の宝庫だが、その猫は首輪を着けてゐる。仔猫といふには大きいものの、まだ大人になる手前のやうだ。
数多と居る野良猫のやうに人間を警戒する風でもなく、距離をおいてついてくる。シッシと追ひ払つても逃げない。結局家までついてきた。放つておくと、庭でニャアニャア鳴きだした。さらには縁側に上つてガラス戸をガリガリとやり始めた。一年のほとんどを空家にしてゐる以上、居つかれても困るだけなので甘い顔はできない。あくまで無視を決め込んでゐると、フッと姿を消した。
やれやれ諦めたかと思ふや否や、猫が突然家の中に現れた。納戸の床が落ちてゐて、縁側の下から素抜けになつてゐるのを見つけて入つてきたのだ。これはいけない。一度「道」が見つかつた以上、猫たちの巣にされてしまふ。止む無く猫を捕まへて、水の涸れた放水路に投げ捨ててきた。水路の壁から上つて来る前に、後ろ姿を追はれることがない様に走つて逃げた。
家に戻つて、急場凌ぎで外に通じる穴を塞いだ。これで少なくとも猫が入つてくることはなからう。
次の日、帰り支度をしてゐたら縁側に件の猫が何食はぬ顔で座つてゐた。シッと追ひ払つた。猫が嫌ひな訣ではないが、世話してやれない以上は鬼になるほかない。だからといつて、頼つてくるものを無碍に捨てた後ろめたさまでは拭へない。手にはまだ捕まへた時の体温が残つてゐる。
訊けば、その猫を飼つてゐた家が今は空家になつてゐるさうだ。やりきれなさと後ろめたさの引換へに風邪をひいた。さう思ふことにした。

さいごに

帰省前より四キロ太つた。