大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

PowerUp Forever

来た来た。やうやく気持の水準線をグワッと越えてきた。これは傑作だといふ想ひが溢れてきたぞ。
遊んてゐて、二つのゲームを思ひ出した。ひとつは「雷牙」。色遣ひのセンスとか、秒間描画フレーム数の足りてない感じが如何にもそれつぽい。だから良いとか悪いとかではなく、何か似てるなあと。
で、もう一つは、昔の「GAME&WATCH」だな。序盤はヌルく、あるいはダルく、淡々と進む。少しづつゲーム全体のテンションが上つてきて、一定ライン(GAME&WATCHなら概ね100点に到達した瞬間)に一旦それが落着く。そこからは上り続けるテンションに振回されつつゲームオーバーを迎へるといふ流れ。GAME&WATCHが面白いのは100点越えてからで、特に最初の50点あたりまではかつたるい。「PUF」もまさにそんな感じで、すべての装備が整つてクリア後のボーナスが「オーバーチャージ」になつてからがやうやく本番といふ感じ。本番に入つてからのテンポと緊張感は他に換へ難いものがある。展開が単調? それがいいんぢやないか。
全方位シューティングとしてみた場合、例へば「ジオメトリーウォーズ」とか「ミュータントストーム」と大きく異なる点として、無限の広さのマップであることが挙げられる。固定マップでもなく、自分を中心としたある一定の範囲だけマップの構成を保持していて、その範囲が移動するごとに自動マップ生成を行つてゐるのだらう。随つて、ゲームのパターン化は不可能。ある程度動いた後に元の場所に戻ると地形が変つてゐたりもする。
マップを構成する「地形」は、実は自キャラの何倍も大きいただの「雑魚敵」で、レベルをクリアする毎に自キャラが大きくなり、相対的に小さくなつた「地形」が雑魚として活動を始めるあたりは「塊魂」そのまんまで、だから販売権をバンナムが獲得したのかと思つてしまふ。
その「地形」に寄生する虫を倒すことでボスキャラを呼び寄せ、ボスを倒してレベルクリアといふ仕組で、一つのレベルに長居をすると得点倍率が下がる上に永パ防止キャラまでやつてくるから、プレイスタイルとしてはちよつとしたマップ探索要素が入る。レーダーのない「ボスコニアン」、あるいは初代「サンダーフォース」といつたイメージ。
敵は基本的に硬いので「ジオメトリ」よろしく中央突破を試みようものなら即ゲームオーバー。あと、ダメージの仕組がFPS/TPSによくある「ダメージを受けずに待つとシールド回復」なので、終る時は一瞬で終る。「グロブダー」風味だな。これに関してはスマートボムで周囲を一掃して回復時間を稼ぐといふ手もあつて、これはよく出来てゐる。
サブウェポンの取回しやエネルギーの稼ぎ方など、全体にバランスがよく取れてゐる。大きくなり続ける自キャラの周囲にはさらに大きな宇宙があるといふ世界観も素敵だし、その時々によつてバランスに僅かな傾斜が起り、それが難易度の緩急となるのもいい。
以前書いた全方位シューティング考 - 大和但馬屋日記の、'84年の作品群以来大した発展もなく滅んだままだぞといふ不満に対して、わりと満足できる解をもらへた感がある。結局、海外のゲームなんだけどさ。