大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

感覚矯正中

Xbox360が修理中なので、久しぶりにPS2を起動して「ギターフリークス」を集中的に遊んでゐる。しかしこれがもう、全然駄目。下手になつてるとかいふレベルではなく、譜面が「見えない」。先日アーケード版でも感じた違和感が、家の環境だとより顕著になつてゐる。下から上へ流れる譜面に全く対処できなくて、少し前なら余裕で弾けた曲でも簡単に落ちてしまふ。
もともと、家の環境はアーケードに比べると甚だよろしくない。アーケード版の筐体は、立つてコントローラを構へて自然に視線を下したその先に丁度判定線が来る様に、極めて注意深くハードウェアのレイアウトが設計されてゐる。アーケードと同じコントローラを使つてゐても、自分の目と画面の位置関係が違つてゐるとそれだけでプレイし辛く感じてしまふ。ディスプレイの大きさも同じではないから、相対的に譜面の流れる速さも変つて見える。画面と目の距離の取り方で見かけの画面サイズは合せられても、「遠くにある大画面」と「近くにある小さい画面」は同じではない。人間の目はそこまで馬鹿ではない。
たかがゲームでそこまで気にしなくても、とは思ふ。実際、大抵のゲームではそこまで気にする必要もない。しかし、コナミ音ゲーは十年間の積み重ねの中でインターフェースがアーケード筐体に極限まで最適化されてゐるから、それ以外の環境に移しただけで「別の何か」に変つてしまふやうに感じられる。
特に我家の場合、プロジェクタのスクリーンが少し見上げの位置にある。立てば大体正面になるが、譜面の判定線はやはり自分の目の高さより随分高いところにくる。投影機をテーブルに置いてゐた頃は、投影機自体をスクリーンに近づけて投射面積を小さくとることで対処もできたが、今は天吊り擬きの置き方をしてゐるので、簡単に位置を動かせない。
で、どうも、高いところを注視してゐると、視力が維持できない感じがするのだな。グッと集中すればその時ははつきり見えるのだが、譜面全体を把握しようとすると、全体的に何も見えてゐない状態に近くなる。アーケードの筐体くらゐの視野角ならば「どこも注視してゐないのに全体が見えてゐる」といふ感じなのが、家だと「全体を見てゐる様で何も見えてゐない」となる。言葉にすると大差がないが、感覚的には正反対なのである。
あと、これは全く根拠のない与太だけれども、うちのプロジェクタで「GF」の譜面を見る場合、ノートが眼の盲点を通過してるんぢやないかといふ気がしてならない。Blind spotsで実験する限り、盲点は注視点の水平方向にあるのだから上下には関係ない筈だし、両目で見てゐる限りはそれほど致命的になるはずもないから、我ながら出鱈目を言つてゐるのは分る。でも感覚的には、丁度そんな感じなんだよな。
そしてもちろん、譜面が見えなくなつた理由としては「ギターヒーロー」の影響が一番大きい。あの奥から手前にやつてくる「クラックス」譜面がワシの感覚には一番合つてゐる。注視点の位置が画面の下の方にあるのも、家庭用ゲームとしては最適解なのだらう。
などと色々考へて、ともかくもプレイスタイルメニューで譜面をリバースに設定。上から下に流れる様にした。今まではノートの速さを4〜4.5倍にしてゐたが、上から下だとこれでは速過ぎるので3倍に設定。すると速さはともかくノートの間が詰りすぎて弾き辛くなつた。いろいろ試して3.5倍で妥協。表示範囲が「GH」に近づくかと思つてSUDDENも試したけど、これは無い方がよささうだ。
一時間ほど格闘して、なんとか今までで一番遊び易い環境に整へることはできた。しかしアーケードだとどうだらう。リバースだと判定線の位置が低すぎる恐れがあるな。スピードの最適化もしなきやならんし。
それにしても、少し前にこなせてゐたことが全く出来なくなつてしまふといふのは、たかがゲームとはいへ恐ろしいことですな。