大和但馬屋日記

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ちよつと待つた

yms-zun2007-12-07

この記事は首肯し難い。といふか、DocSeriさんが何を主張しようとも自由ではありますが、論理的思考力に欠けることを以てただちにニセ科学信奉者を統合失調症と決めつけることはできない。が、どこかしら正常でないのもまた確かだろうといふ論を導くために「http://human.kdn.ne.jp/news/021123.html」の記事を引用・要約して紹介するのはあまりに杜撰だと思ふし、思考の順序を間違へてゐるとしか考へられません。
統合失調症ネットワーク」と題されたサイトのコンテンツの一部として、精神疾患に纏はる社会的問題として採り上げられてゐるのが「http://human.kdn.ne.jp/news/021123.html」といふ文書である。
人間社会はニセ科学的思想や悪徳商法といつた類の様々な要素を内包してゐる。精神疾患もまたそれら要素の一つである。それらが互ひに重なりあつた領域で起る諸問題について考察してゐるのが件の文書なのであるから、そこで挙げられてゐるそれぞれの要件が双方に類似してゐる様に見えるのは当然である。「目と鼻と口がついてゐるからヒトとサルは似てゐる」といふ程度の当り前の話だ。
民間療法自体が多分にニセ科学的である以上、それに拘る統合失調症の人の言動がニセ科学信奉者と類似することはある意味当然なのかも知れないが、実際のところ上に挙げられた反応の大半はニセ科学そのものとはほとんど無関係であるとあるが、元の文書はそもそもさういふことを問題にしてゐるのではないのは明かである。故に従って類似の理由があるとすれば、それは論題の類似性よりもむしろ思考の類似性と取るのが適正であるように思われるといふのは不適正だと思ふ。ここにはDocSeriさんが「ニセ科学信奉者と統合失調症患者は似てゐる」と意思表示してゐる以上の意味はない。繰返しになるが、DocSeriさんがさう主張するのは構はないけれども、その論拠として元記事を提示するのは適切ではないし、さういふ読み方をすべきではない。「精神疾患の治療と称して民間療法を薦められる場合がある。それには大別して悪徳商法かカルト思想のどちらかが関与してゐるケースが多い。従つて、それらには十分な注意を払ひませう」。元の文書から得られるのはさういふ情報である。
これではまるで、「正字正かなを使ふのは中二病である」と書き、それに怒つた何人かの正字正かな使用者を指差して「怒つた人が何人もゐるのはある種の傾向を示してゐると思ひます」と言つた馬鹿(id:鈴木芳樹)と同程度の暴論であると思ふ。少なくとも、統合失調症をはじめ精神疾患に悩む人を纏めて馬鹿にした文章であると受取られかねない点は認識して頂きたい。

追記

DocSeriさんが撤回された様ですので、本エントリも全て撤回前の記述に対するものといふことで収めさせて頂きます。また、「鈴木某と同レベル」と評した点については侮辱が過ぎたので取消します。

  • 2008年06月02日 mohri yskszk
  • 2007年12月09日 mfluder diary
  • 2007年12月07日 funaki_naoto
  • 2007年12月07日 hisamura75 ☆☆☆☆☆