大和但馬屋日記

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続・流体力学の話

yms-zun2007-10-04

昨日のエントリに念の為補足。
別に「群衆のシミュレーションに流体力学の理論が応用できる」つて話を否定したい訣ぢやない。さういふ研究があることは仕事で知つてるし、その成果の出来損ひ(あっ)を動かすシーンの背景を作つたこともある。
昨日のは「このタイミングでそんなこと言はれてもねえ」といふ話。喩へるならかういふことだ。
莫大な金を注ぎ込んで、見様見真似でF1マシンの様な形をした四輪車を作り、F1サーカスに帯同してグランプリサーキットを走行してデータを集めた。十分に準備が整つた気がするので次の年から本格的にF1に参戦してみたら*1、成績は惨憺たるものだつた。曰く「F1マシンを造るには流体力学のやうな数学的な対処が必要なのではないかと思つてをります」←今ここ。みたいな。
となると、この後に当然考へ得るシナリオは「歴史あるチャンピオン経験チーム(団体)からデータを非合法に盗んでくる」「他分野の実力あるエンジニア(オーガナイザー)を金で引抜く」「それだけやつても全く結果を出せない」。まるでどこかのチームの様ではないか。そんなチームを率ゐたエラい人こそが今FSWの会長なんだから、上手く行く訣がない話なのである。
などといふ性質の悪い悪口はさて措いて、しかしやはり渋滞の解消には流体力学のような数学的な対処が必要なのではないかと思っておりますといふ考へに重大な錯誤がある様に思へるのも事実だ。たしかに、群衆のシミュレーションには流体力学の理論が応用できる。しかしそれは、コンピュータ上で群衆の動きを再現するための方法論でしかない。コンピュータ上で群衆の動きを計算したとして、では実際の群衆がその通りに動くだらうか。そんな訣はない。それが出来てゐたら今頃トヨタF1チームは超絶空力マシンでコンストラクターズチャンピオンをぶつちぎつてゐる筈だし、天気予報は百発百中だ。
流体力学だらうがカオス理論だらうが四柱推命だらうが何だつていい。信頼のおける未来予測ができたとして、しかしその予測が外れた時にどう振舞へるか。今回問はれたのはまさにその点なのである。今のままでは、「流体力学シミュレーションの通りに行かなかつた。今度は卜占の様な伝統的な対処が必要だと思つてゐる」などと弁明する姿が目に浮ぶ。その前にホスト学を学べよ。FSWの敷地内にあるといふレクサスカレッジとやらは何の為にあるのだらう。

歴史ある団体に協力を仰ぐつもりらしい

F1開催で富士と鈴鹿が連携強化

(略)
富士SWの加藤裕明社長は「鈴鹿さんとも一緒にいろいろやっていきたい」と、鈴鹿との共同プロジェクト設立を示唆した。30年ぶりの富士開催では、シャトルバスの不通やチケット払い戻し騒動などトラブルが続発した一方で「施設面は高い評価を得た」と胸を張る。対照的に鈴鹿は運営のノウハウは蓄積しているが、施設の老朽化が指摘されている。
(略)

F1開催で富士と鈴鹿が連携強化 - モータースポーツニュース : nikkansports.com

風聞によると、富士での開催が決定したときに鈴鹿側が「お手伝ひしませうか?」と声を掛けたら断つたさうですな。プライドが邪魔したんだらうなあ。まあ、ズタボロになつた仮面を本気で脱ぎ捨てる気になつたなら結構なことだが、どうかしら。結局のところ金をかけた部分しか評価されてない訣で、そこで胸を張つてる様では高が知れてるとワシは思ふ。

*1:初年度に優勝するとか言つたよな?