しかし創作物を一日二冊以上読んでも印象が混つたりするので良くないかもだ。
マルティプレックス(田村登正,電撃文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ
マルティプレックス―彼女とぼくのコミイッタ日々 (電撃文庫)
- 作者: 田村登正,姫心重機
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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書き手はそれぞれのエピソードに対して一区切りつけたつもりかもしれないが一冊の本として纏めきれてゐない。作者の力量に因るのでなければ編集者の方針といふことにならう。かういふのが当り前になりつつあるのだらうか。
読後感が消化不良すぎて面白かつたどうかもよくわからないが、少なくとも「エンダーのゲーム」や「All You Need Is Kill」を読んだ後の様な味はひをこのシリーズから得る機会は逃してしまつたやうだ。続刊が出てからの纏め読みならよかつたかもしれない。しかしさういふ読み方では続刊の出版自体が危ふくなるこの時世。ままならんの、と嘆く前に話を一冊で纏めてくれ。
カラクリ荘の異人たち(霧島ケイ,GA文庫) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ
カラクリ荘の異人たち?もしくは賽河原町奇談? (GA文庫 し 3-1)
- 作者: 霜島ケイ,ミギー
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2007/07/12
- メディア: 文庫
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扱つてゐる題材はそれなりに面白いのだが文章に今一つ味が足りなくて惜しかつた。決して下手ではないけれど。
あと、同じ日に読んだもう一冊ほどではないがやはり最後を投げ気味の気が。本作の場合エピローグの章を設けて主人公太一の日常のささやかなる変化、特に采奈との関係について等に僅かでも触れなくてはなるまい。え? これで終り? とページを繰り直してしまつたほどだ。
続き物の開幕といふものへのスタンスが業界ごと変りつつあるのかなあ。文藝としては明かな退歩だと思ふ。
秋山瑞人が沈黙してしまつたこと、「ハルヒ」の新刊が延期になつたままであることなど、直接関係のないネガティブな事象を何故か連想してしまつた。