大和但馬屋日記

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てきとーに感想

yms-zun2007-07-08

ひとひら(4)

一巻が出た時に表紙買ひして、所々微妙に感じながらも続きを楽しみにしてゐて、三巻発売と同時期にアニメが始まつて、そのアニメの出来が後半になるに随つてグダグダになり、そもそも元作品自体面白くなかつたのかなあと思ひつつ、いつの間にか出ていた四巻を買つたのが少し前。で、読んだ。
凄く面白いぢやないか。つか、面白くなつた、といふべきか。冒頭でアニメでやつた分の話が終つて、新学年の新展開となり、やうやく期待通りの面白さが出て来た。登場人物が増えて、それぞれの絡みに味が出て来たといふか、ぶつちやけた話演劇部が光画部化したといふか。演劇研究会でもプチ光画部な兆候は主に野乃の行動に見られてゐたが(つか写真部との対立構造とかそのまんまだよな)、構成人数が少ないことに加へて麦の行動力のなさが話の主体でありすぎたこともあり、話に余裕がなさすぎた印象が三巻まではあつた。
特に三巻後半から四巻のはじめまでのエピソードはそもそもアニメのクライマックスに持つてくる様な話ではないのであつて、それを馬鹿げた演出で乗り切らうとしたのは正に四巻の「赤ずきんの少女」のドタバタと同レベルの所業だつたと言へよう。まあアニメ版の愚痴はキリがないが、「終つてない原作もののアニメ化はやめようよ」とだけ言つといて話を戻す。
麦の演劇部編入によりキャラが増えて、「組織を動かす論理」みたいなものが見えてきた。その中に麦が放り込まれて、描写の焦点から一旦外されたところに旨味が出てきたといふか何といふか。群像劇といふほど大袈裟なものではないが、やつと「演劇」をテーマにした意味が出て来たな、と思つた。

鉄腕バーディ(16)

帯に「震撼の第三部」とあるからどうなるのかと思つたら、あの話を本編としてやるのか‥‥旧版で番外編だつた鬼の話。作者気に入りのエピソードだつたと見えますな。落ちまで同じになるのか、本編絡みで全く違ふ結末になるのか。
ゆうきまさみの描く裸にはときめかないけど、半被姿の紅葉さんはなかなか。