大和但馬屋日記

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作る人の気持ち、売る人の気持ち

本を作る人としての今村さんの気持ちは理解できる。しかし、極論すれば立読みは盗まれるのと同じといふコンビニ店員の立場もやはり無碍にはできないなあ、と思ふ。とりあへず書店のことはおいといて、コンビニの場合明らかに立読み目的で来る客も多いだらうし、店の固定客層にもよるだらうが本の扱ひもひどいことが多い。本を置くこと自体が客寄せの手段のひとつではあるにしても、購入されるまでは他人様のものであるといふ意識がコンビニのある一角においてはあつて無きが如しであるのもまた事実だ。
まあそんな風に考へる切掛けもあつたので、もう随分前からコンビニの本のあるコーナーには近寄らなくなつた。いざやめてみれば、「コンビニで立読みをする」といふのは、別にどうといふことのないただの習癖にすぎないことがよく分る。これは自分でも驚いた。以前は、コンビニに入ると半ば自動的に本のあるところから棚を回るといふ習慣ができてゐたのだが、別にそんなことをする必要などどこにもないのだ。暇を潰すだけなら他に方法はいくらでもあるし、「毎週立読みをしてゐる漫画がある」とかいふならそれは本当に万引と同じだらう。
まあ、万引は言ひ過ぎだとして、言及元のコンビニの対応が少々過敏すぎたとしても、しかし立読みが天賦の権利だと誰もが思つてゐるとしたら、それはそれでをかしな話だ。少なくともワシはその考へには与しない。作る人でも売る人でもない人間にだつて、最低限守るべきことはあるはずだ。

  • 2006年11月01日 takanofumio book
  • 2006年11月01日 nobody bm3137799 ニャニャニャニャニャニャ (好猫)