大和但馬屋日記

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ARIA The NATURAL #16

灯里が使ふ練習用のゴンドラが老朽化のために引退することになつたのでそのお別れをする話。脚本吉田玲子、コンテ佐藤順一。本作スタッフとしては黄金コンビである筈。第七話のことは思ひ出しちや駄目だ。
アバンタイトルアリシアと船大工の会話があつて、ゴンドラを接客業から引退させて荷運び用に転用させることが決まる。ゴンドラに愛着のある灯里が「あわわわ」となつたところでオープニング。まるで当り前の様に第一期のOP曲「ウンディーネ」が流れる。これにはやられた。第二期のOP曲「ユーフォリア」は好きだけれど、この話にはたしかにこれしか有り得ない。歌詞に合せた演出もすばらしかつた。サビの「さあ漕ぎ出さう 光る波へ」のところで修理台に上げられて水に浮かべられないゴンドラを水面に映り込ませるなんて、ブワッとくるぢやないか。凄い。
‥‥このOPが観られただけで良かつたことにしたいです。だからその後のことは忘れたいです。ごめんなさい。
第一期第三話での「初めて客として暁を乗せた時の回想シーン」で灯里が一人前用の白ゴンドラを漕いでゐたのはあくまで第一期第三話のミスだけど、そのことをまるでなかつたことにしてるとかー、同じく第一期第三話での「例のカモメのカット」と同じ構図で今度はカモメが痙攣せずに普通に飛んでたこととかー、まあそのへんは良かれと思つてやつたことだらうから良いんだけどー。でも水路で左側通行ですれ違ふとかー、有得ないからー。まあそれにも目を瞑るとしてもー。
やはり全体として手堅いといふより凡庸な演出にしか見えなかつた。特に「希望の丘」に行つた帰りに灯里が夢を見るシーンがすべてを台無しにした。なんでゴンドラを擬人化して灯里と直に話をさせますか。そこまでして台詞に頼らないと何も表現できませんか。ひどいアニメだなあ。それとも視聴者が馬鹿にされてんのかな。「ここまでしないとわからないでしょ」とか言はれてるみたいだ。
水路の底から見上げてゴンドラを見送るカットは凝つてたけど、その絵は「かまいたちの夜2」のムービーそのまんまなので怖すぎるよ‥‥
で、最後は余韻もなにもなく投げつぱなしのまま話が終つた。ええ!?
エンディングが新しくなつた。ははあ、何となく意図は読めた。最終回向けだな。