大和但馬屋日記

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ARIA The NATURAL #14

灯里がARIAカンパニーに杭を立てる話。いい話を丁寧に纏めてゐた。派手な見所はないが、行動の一つ一つをスッ飛ばすことなくきちんと描き出すことで「ARIAカンパニーの水無灯里」を表現してみせたのは大変に良い。小さなことだけど、何かを作つて風景を変へる話といふのは好きだ。
コンテはEDテロップによると竹下健一と佐藤順一の連名。http://pc.webnt.jp/anime/disc_base.php?oid=613470には佐藤監督の名前が無いから、途中でサポートといふか手直しに入つたのかもしれない。ともあれ、結果的に良い仕事が見られたと思ふ。
アニメの感想としては以上の通りだが、話自体にはひとつ引掛りがある。藍華とアリスが訪れて、彼女らに「手伝はうか」と声を掛けられた灯里が「一人で頑張つてみる」と応へたところだ。「ARIAカンパニーの水無灯里」を描くためにそれは必然的な行動だつたのかもしれないが、結果的に「一番新しい思ひ出」をつくる作業から友達を締出したことにもなるわけで、さういふことを灯里がするだらうか? といふ疑問が頭からどうしても離れない。といふか、やはりそれは灯里らしくないでせう。
灯里といふキャラクターをスタッフが好きではないのではと前にも疑義を挟んだことがあるが、好き嫌ひといふよりも、恐らく監督が今ひとつキャラを掴みきれてゐないのではないか。で、今回のがたぶん監督にとつて「かうあつてほしい」灯里像なのだらう。それは分つた。第一期から度々思つてきたことなので、今更どうかう言つても仕方が無い。仕方が無いから自分はあそこから分岐した別のシナリオを脳内で楽しむことにする。一人で頑張つてみる。