大和但馬屋日記

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Alias Sketchbook Pro 1.1

Alias Sketchbook Pro 1.1

常々褒めそやしてゐるグラフィックツール、Alias Sketchbook Proがバージョンアップして1.1になつた。大きな目玉は二つ。

  • 多くの機能がキーボードショートカット対応になつた
  • Macintoshにも対応した

キーボードショートカットについては、普通のタブレットや液晶タブレットで使ふ人にとつては大きな進歩となるだらう。まあ、オレにはあまり関係がないが、これでタブレットPCユーザー専用ツールと見倣されずに済むといふメリットはあるに違ひない。
Mac対応もオレには関係ないけれど、このツールはMacとの相性はよささうなのでMac遣ひの絵描きさんは是非試してみてはいかがだらうか。15日間無料試用できることでもあるし。
で、アップデートしてみた。マイナーバージョンアップのくせに見た目がガラリと変つたが、基本的な機能は変らない様だ。インターフェースの見た目が「WindowsXP風」から「Mac風」になつたといふか、「要するにモノクロにしてカッコつけてみました風」になつた。
それと、インターフェース部分の「特に意味のなかつた半円」部分が、選択したペンの試し描きエリアになつた。嬉しい配慮だが妙にせせこましい配慮の様な気もする。
‥‥と思ひながら試し描きしてみたら、ガッデム! これ、描画エリアそのものぢやないか! 何のことはない。要するに、インターフェースが透けて下の絵が見えてるだけ。GUIで画像を隠さない様にといふ配慮なのだらう。だつたら紛らわしい囲み枠なんか付けるなよ‥‥
あと、その隣の二つの小アイコンが全く意味不明。「現在使用中のツールと色」がアイコンとして表示されてゐて、クリックすると機能もする*1が、今選んでゐるものをクリックしても嬉しくないつて。それなら「一つ前に使つてゐたツールや色」を保存するか、一番よく使ふものを任意に二つ登録できるかしておいてくれた方が遥かにマシだ、つふか最初はさういふものだと思つた。
インターフェースのデザイン変更は、旧バージョンに馴れてしまつてゐる分「余計なこと」に感じた。無意識のうちにアイコンの形だけではなく色までも一瞬の判断材料として記憶してゐたため、レイアウトは同じなのに一瞬で機能選択をすることができなくなつたのが非常にもどかしい。じきに馴れるとは思ふが、アイコンの色といふ手掛かりを失つた分「馴れにくい」インターフェースになつたと思ふ。かういふ「見た目だけクールにしてみました〜」なデザイン変更は正直勘弁してほしかつた。須くツールは見た目でなく使ひ勝手を追求すべし。
あと、バージョンアップに際してカスタマイズしたペンやブラシの数々が全部消えてしまつたのが痛い。カスタムペンの蓄積こそがこのツールの「使ひこなし」の証だつたのに。結構「いい具合」にチューニングしたペンやブラシをまた再現しなくてはならんのか。面倒な。
とまあ、愚痴が多くなつてしまつたが、これはバージョンアップに付物のくだらないアレなのでナニしてください。いいツールであることに違ひはない。
ひとつ、今回のバージョンアップで嬉しいことがある。今まで、矩形領域のコピー&ペーストはまるで嫌がらせの如き仕様だったのが改善された。具体的にいふと、従来は表示中の全レイヤーを統合した形でしかクリップボードに保存されなかつたのだが、今回やつとカレントレイヤーだけのコピーができるようになつたのだ。これでやつとレイヤー間のコピーが可能となつたわけで、有難いことである。

*1:トグル操作の機能を使ふと確認できる