大和但馬屋日記

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新幹線車内で焼身自殺、巻添へで他の乗客も犠牲に。この尋常ならざる事件を報じたTV情報番組で「新幹線にはスプリンクラーもないのか」といつた旨のホストの発言があつたとのことで、「そんな水どこに積むんだ」といふ非難や嘲笑がネットに見受けられるが、問題とすべきはそこぢやない。今回の事件はガソリンと覚しき油による火災事件なので、そもそも消火の為に水など掛けてはならないんだよ。火が消えないばかりでなく、事態を更に悪化させるだけだ。今回の様な電車内でのガソリンによる人為放火などといふイレギュラーを除けば、火災の原因として有得るのは故障による電気火災くらゐのもので、これも水を掛けてどうにかなるものではない。要するにスプリンクラーなぞ設置したところで、全く何の役にも立たないといふことだ。ちやんと車内には消火器が備へつけられてゐるのだから概ねそれで良い。昭和四十七年の北陸トンネル火災事故等を教訓に、新造される鉄道車輌は極めて燃え難く作られてもゐる。カーテンやシートのクッション等もすべて難燃性の素材を選んで作られてゐる。スプリンクラーなど、鉄道車輌にとつては飾りにもならない無用の長物なのだ。そんなものを備へてゐないからといつて非難されるべき云れはどこにもない。度々発火した北海道の車輌でさへ、客室が燃えてしまつたりはしない。
スプリンクラーなどと言ひ出したのは大方先日の安宿で起きた火災事故の件などが念頭にあつたのだらうが、そもそも今回のは火災事故であつた訣ですらない。偶々ガソリンを用ゐた事件だつただけで、これが例へば毒ガスの類だつたらスブリンクラーの出る幕などもとより無かったし、今回の件でもやはり出番など無いのだ。報道が問題の本質を見誤つてはいけない。
それよりも、宮根某といふ人が油の火災に水をぶつ掛けて良いといふ認識を持つてゐるといふことの方が余程問題だ。同じ番組で「油に水を掛けてはならない」と視聴者に周知すベきなんぢやないのか。