大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

ええい、任天堂の企画者は化物か! と「バンデラ」のラジオ機能を見て思つた

バンブラ」から三年半。「バンデラ」を触つてゐると、DS用ソフトのインターフェースの作法が昔に比べてものすごく成熟してゐることがよく分る。大まかに「タッチジェネレーション」以前と以後、と言つても良いのかどうか分らないが、ワシがDSに最も熱くハマッてゐた頃(360を買ふ前だな)とだけ比べても隔世の感がある。360以後つて、「世界樹」とか「ナムコミュージアム」とかしか遊んでないからね。作る方は幾つかやつたけどグラフィック仕事だけだし。
それはともかく、ラジオ機能だ。
バンブラ」の時は曲選択画面を放置しておくと、収録曲を順番に自動演奏してくれた。ヘッドホンを接続しておけば本体の蓋を閉ぢてスリープ状態にしても音だけ流れ続けるといふ、本体同発タイトルとしては気の利いた機能にいたく感心したものだ。
今回は、DJ付のラジオといふ形でランダムに曲を選んでくれる。それだけなら何といふことはないが、何とWi-Fi通信を利用して、サーバにアップされたダウンロード可能曲をストリーミング配信的に演奏してくれる様になつたのだ。これは楽しい。つか、マジで凄い。
今回、実はデフォルトの収録曲数はそれほど多くない。その代り、Wi-Fi通信で任天堂のサーバから最大百曲まで任意の曲を無料ダウンロードできる。ただし、一度ダウンロードした曲は削除できない。これは任天堂JASRACと協議した結果で、ユーザーからみればデメリットでしかないが、その代りにユーザーの自作曲も任天堂サーバに置けることになつた。勿論、JASRAC管理曲も、である。任天堂頑張つた。偉い。任天堂が予め用意した曲も含め、既に数百曲がサーバに置かれてゐる訣だ。
で.ラジオ機能はこの中から曲をピックアップして配信してゐる。聴くだけなら百曲制限には引掛らない。聴きながら、欲しいと思つた曲はその場で保存できる。この時に残りダウンロード可能曲数を消費するといふ訣だ。この機能はうまい。
早速、風呂ラジオと洒落こんでみた。最初は人気曲ベストテンのカウントダウン。何の人気か知らないが、多分ダウンロード数だらう。任天堂製の「ルパン三世のテーマ」が良い出来だつたので早速ダウンロード。で、聴き流してゐたら、ランキング一位が「残酷な天使のテーゼ」だつた。まあ如何にもなチョイスだねえ、と思ひつつ投稿者を見て吹いた。「ゲーマガ♪ウメ」て。編集長かよ。「アイマスレディオ」の半レギュラーだから馴染みあるといふのは措いといて、仕事なんだか遊びなんだか分らないはつちやけつぷりはここでも健在か。実際、曲データのクオリティも滅茶苦茶高いのだ。思はずダウンロードしてしまつた。
これはニコニコ職人の様に、あるいはForza職人の様に野生のプロが活躍できるフィールドがまた増えたと考へて間違ひない。さういふ場をメーカーが確保する為にJASRACと協議して、自腹を痛めつつユーザーに開放した*1といふのは、手放しで賞賛していい。
もう、メーカーがガチガチに遊び方を規定したり「感動」を押売りしたりする時代ぢやないんだよね。かといつて「何でもあり」にすれば良いといふものでもなくて。メーカーの規定する制約内でユーザーの遊ぶ余地を与へつつ、メーカーの想像を超える何かが生まれる可能性に期待する。匙加減の難しいところではあるが、これが当世風の「面白い」のひとつの形なのだらう。
まあそこまで褒めそやさなくとも、作り手と受け手に幸せなキャッチボールがあるプロダクトは、見てるだけで楽しいものだと思つた。「Forza」然り「アイマス」然り「初音ミク」然り。

  • 2008年07月03日 Ubuntu
  • 2008年07月03日 kanose NDS

*1:但しデータをアップする際にはクオリティチェックがあるらしい