大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

完成版

yms-zun2004-01-17

少し折り目が入つてゐるのがポイント。平らな板のままではあまり効果が上がらなかつた。シグモイドカーブにすればさらに効果的だと思はれる(実験バージョンは図らずもさういふ形になつてゐた)。しかし固定の都合もあるのでこんなもので良しとしておかう。
流体力学は奥が深い。マクラーレンに就職しようかな。

今日のゲーム

ASTROBOY鉄腕アトム アトムハートの秘密(GBA,SEGA)

むずかしいモードで最初から始めてみたら,コンティニューなしでエプシロンたんまで到達。しかしここでボコられ死亡。可愛い顔してウニ投げやがつてよう。
ウニにやられる十万馬力の鉄腕アトムといふのもどうか。ウニといふのは何かの譬喩ではなく,正真正銘の海胆なんですが。

鈴鹿伝説'95

まだ94年を観てないけど、こちらを先に。
日本GP二度目の消化試合となつたこの年、マイケルの駆るベネトンルノーが圧倒的な強さでポールポジションを獲得。二番手には同年カナダで生涯唯一の優勝をとげたフェラーリのアレジ。
この年、オレはS字スタンドでまるこす氏と観戦してゐた。予選セッションでは鈴木亜久里が視界の中で大クラッシュ。肋骨を折つて本選を欠場、そのまま彼のF1ドライバーとしてのキャリアが終つた。90年の表彰台以降、苦しみながらも戦ひ続けた男にとつて、あまりに皮肉すぎる舞台での幕切れ。
日本人は他に片山右京と井上隆千穂。右京はティレルのユニークなサスペンションが仇となつてシーズンを棒に振り、これまた後のキャリアに影を落すことになつてしまふ。井上についてはノーコメント。
決勝は雨こそ止んだもののウェットでスタート。五周目、アレジとベルガーのフェラーリ二台にフライングのペナルティ。アレジの車載カメラを見ると、彼のマシンコントロールには惚れ惚れするね。この後、レースはいかにもアレジらしい、そしてフェラーリらしい展開となる。
乾き始めた路面、アレジとバリチェッロ(ジョーダン)が真先にタイヤ交換に動く。難しいコンディションの中をハイペースで走るアレジ、しかし最終コーナーでスピン。でも失ふものはない、体勢を立て直してまた猛追を開始。一人で猛烈なタイムを叩き出す。それを見てトップ独走のマイケルもタイヤを交換。アレジはウィリアムズのヒルを豪快にパス。ペナルティもスピンも何の話だ? と言はんばかりの走りで何と二番手の位置を取り戻した。このままトップのマイケルにすら追ひ付くのでは‥‥? スタンドのオレ達も大興奮。
ジョーダンのバリチェッロとアーバイン接触。後のマイケルサポーターたち。
フェラーリ、ベルガーがピットに戻つてリタイア。一方のアレジはいよいよマイケルに接近。行ける、行けるぞ。S字席から見てゐて、ホームストレートのピットの陰から飛び出すアレジのスピードが尋常ではない。一人異次元の速さ。吠えるV12サウンド、「スゲー!」と叫ぶオレたち。スーパーラップとは、目で見て分るものなのだ。さあ、またマイケルがピットの陰から飛出した。続いてアレジが‥‥来ない。来ないぞお。おーい。アレジ、エンジンブロー。多くのファンにとつて、この瞬間、F1から「フェラーリ」が消滅した。V12エンジン、カーナンバー27、熱いラテンの血を持つたドライバー、華麗かつアバウトなマシン。これら全てがフェラーリから永遠に失はれたのだ。
スプーンで続々とコースアウトするマシンたち。ざつと数へて五、六台が餌食となる。クルサードはスプーンで拾つた砂を130Rのブレーキングで自分の前にぶち撤けて自滅クラッシュ。ヒルも二度のコースアウトでリタイア。ウィリアムズ勢の自滅のおかげでマイケルはトップをぶつちぎりで独走。退屈極まる後半のレース展開、鈴鹿の空はすつかり良い日和となつて、オレもまるこす氏もV10サウンドを子守歌にうたた寝をしてしまつたのだつた。
優勝、マイケル・シューマッハー。シーズン九勝、圧倒的な強さ。鈴鹿では初優勝となる。二位にハッキネンマクラーレン史上最悪に醜いマシンを、しかしよく走らせた。三位はベネトンのハーバートだつた。